前歯が閉じれない(開咬)
上下の前歯の間が咬み合わず、隙間がある状態です。日常生活の会話の中では気付きにくいですが、奥歯でしっかり咬み合わせると確認することができます。このような咬み合わせを歯科では、「開咬(かいこう)」といいます。
開咬になる原因
- 原因.1上下の歯のあいだに舌が入ってしまう癖
- 原因.2舌小帯(舌の裏のひだ)が短い
- 原因.3アデノイド肥大、扁桃腺肥大
- 原因.4指しゃぶり、爪かみ
治療しないとどうなるの?
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奥歯に負担がかかり、顎関節症になりやすい
開咬の場合、咬み合っている奥歯ばかりを使うことになるため、奥歯に過度な負担がかかってしまいます。そのため、奥歯が長持ちしなかったり、顎関節症のリスクを高めてしまうことがあります。
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発音問題
舌は、隙間があるところに入っていきやすくなります。開咬の場合、上下の前歯のあいだに舌が入ってしまい、正しい発音を妨げてしまいます。そのため、発音が不明瞭だという印象になります。舌や発音のトレーニング(口腔筋機能療法)を行うことも必要ですが、歯並びや咬み合わせを改善し、舌が入っていかない状態をつくる必要があります。
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消化不良に繋がる
開咬の場合、奥歯の接触している部分でしか、食事を噛むことができません。食事がしにくいだけでなく、食べ物をしっかり噛み砕くことができないまま飲み込んでしまうことで、消化不良に繋がることもあります。
どのように治療するの?
治療方法は、歯並びや咬み合わせの状態によって異なります。下記の説明内容は、ケースによって異なる場合があるため、参考程度にご覧ください。
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歯並び・咬み合わせに対する治療
上下の前歯を咬み合わせるための治療を行います。例えば、上下の前歯にゴムをかけていただいたり、ワイヤー(針金)や歯科矯正用アンカースクリューを使用することで、奥歯を歯ぐき側に沈める力をかけるなど、患者様の咬み合わせの状態に合わせて治療を行います。
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舌の癖に対する治療
舌の癖に対する治療
舌が、上下の隙間に入ってしまう癖を改善するために、トレーニング(口腔筋機能療法)を行います。矯正治療だけを行い、舌の癖が改善されてないと、後戻りする可能性が非常に高くなってしまいます。矯正治療とトレーニングの両方を行うことで、矯正治療がスムーズに進み、安定しやすくなります。
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外科的な処置
外科的な処置
舌小帯短縮(舌の裏のひだが短い)や、アデノイド肥大、扁桃腺肥大がある場合、外科的な処置を行うことで治療することがあります。外科処置の必要性は、状態や年齢によって異なります。